濁度測定秘訣と注意
濁度は一般的な水質項目で、水体の透明度を表します。 しばしば、濁度は水体の健康度と水質についての情報を提供することが可能です。 重要ポイントは、高い濁度が見受けられる場合、必ずしも水体が苦しんでいるとは限らないことです。水の濁度レベルが劇的に変化し、かつその変化が継続する場合はエコシステムに悪影響を及ぼしますが、短期間の濁度"事象"は、一時的であれば全体的な影響はほとんどありません。
どの水質項目についても、濁度がモニターされた地点の測定データがあれば、傾向が追跡でき、事象の発生を把握できます。水系の水質プロファイルを得る際に濁度が貴重な項目であり得るのには、幾つかの理由があります。
校正技術の重要性
濁度データを収集する前に、メーカーの推奨する校正技術と承認済校正液を確認しましょう。
一般的には、機器に付属の校正ハードウェアを使用することをお薦めします。 濁度センサーはセンシング部分から、校正カップの底まで一定の距離を置くことが必要です。こうすることで校正中のカップ自体からの干渉を回避することが可能です。校正液を一定に保つため、多くのユーザーが小さめの校正容器の使用を選択されています。残念ながら、小さめの容器を使用した場合、センサーの表面から校正カップまでの距離が不適当である場合、センサーがカップの底を濁度と判断し、校正中のオフセットが頻繁に起こります。結果として、低濁度のフィールド環境では特に、濁度の読取値がマイナスとなる場合が増加します。このため、メーカーの推奨する全ての校正プロセスを確認し、適切なプロセスを踏まない場合に起こり得る干渉について特に注意を払う必要があります。
どの校正液を使用するべきか
使用する校正液は、ハードウェアと同じ位重要です。濁度センサーメーカーは、校正を成功させるためにどの液や基準が承認されているかをお勧めしています。推奨された校正液を使用してください。更に、YSIなどのメーカーによっては、提供機器用に特別に作成された濁度校正液があり、他の校正液と似ているようでも違うのです。YSI は校正を成功に導く濁度校正液として2つのタイプを推奨しています。一つめはAMCO- AEPA 標準薬液で、YSI濁度センサー用にテスト・準備済です。2つ目のFormazin 標準薬液は、特定の割り当て値または高濃度・希釈で購入いただくか、ユーザーにてご準備いただきます。
大切なこと:Formazin 標準薬液は沈殿するので、メーカー推奨濁度基準に沿って、溶液を扱う際には特定の懸濁液と希釈技術で使用し、校正最中の特定時間内で使用するようにします。AMCO標準薬液は沈殿しないので、一般的に希釈使用には推奨されていません。
覚えておくポイントとしては、全てのAMCO標準薬液が準備またはテスト済ではないので、全ての濁度センサー校正に適切であるとは言えないことです。 YSI濁度センサー校正用のAMCO濁度標準薬液はYSIよりご購入ください。その他のAMCO標準薬液はYSI仕様に沿ってテストされているとは限りませんので、YSI濁度センサーにセットした際の測定値がラベルの記載と一致しない可能性が高くなります。
校正標準薬液についての最後のポイントとして、脱イオン水(DI)または蒸留水はゼロ点ポーションに使用され、コスト削減をサポートします。ここで注意するポイントは、全ての脱イオン水(DI)または蒸留水は同様に生成されておらず、濁度ゼロと言い切れないことです。脱イオン水は1または 2 NTU (FNU)まで登録する可能性があります。脱イオン水(DI)または蒸留水を校正に使用してから低濁度を含む水の測定をした場合、マイナスの読取値を表示する場合があります。測定された水の濁度が、校正中に使用されたゼロ点よりも低い場合がある為です。これらのアプリケーションでは、前述したように校正にゼロ標準薬液を使用する必要があります。
どの濁度計を使用するべきでしょうか (NTU vs. FNU)
よく混乱が起こる点として、濁度測定に関連するユニットがあげられます。現場測定の濁度センサーとしては、比濁分析濁度ユニット(NTU)またはFormazin比濁分析ユニットが代表的です。濁度データ収集の初期には、データ測定方法に関係なくNTUを使用するのが一般的でした。最近では、濁度測定の方法を反映したユニットを使用することが望ましいとされています。厳密に言えば、NTUユニットは白色のTurbidity-Tips-Precautionslight を90度の検出角度で使用した際の濁度値測定に最適、FNUは波長860 nm (ほぼ赤外線) 90度の検出角度で (ISO7027 準拠)の測定に最適です。
測定に関連した適切なユニットを使用することで、追加の情報を提供し、データの質に関する制限及び潜在的な干渉を特定します。YSIなどのメーカーは濁度ユニットについて近年窮地に立たされてきました。YSIは70年近く創業しており、1995年より現場濁度センサーを提供してきました。前述したように、データ収集の測定法としてISO7027準拠だったフィールド測定の初期にNTU で測定されていた濁度は、現在FNUにて測定されています。YSIの濁度センサーは現在もISO7027を準拠していますので、FNUを使用した測定が良いでしょう。窮地に立たされたのは、どこの代理店でも過去NTUにて取得した濁度データがあったにも関わらず、現在EXOゾンデやProDSSなどYSIの最新機器どちらのユニットでもデータを記録することが可能となっている為です。そのため濁度データを収集する代理店は、NTUを継続して使用するかFNUに変えるかを決定する必要があります。測定に関連する実際の数値は、NTU・FNUいずれを使用しても同等です。YSIは常にISO7027に準拠した方法を使用してきたからです。良いニュースとしては、データ値の変換はYSI装置の設定では必要ないということです。
このブログではテクニカルサポートチームが日頃から取り組んでいるトピックを網羅しました。この情報により、校正周りの不確実性や混乱が軽減され、濁度測定の際にどちらのユニットを使用すれば最も正確な濁度データを収集可能か、分かりやすくなれば幸いです。
ご質問やサポートが必要でしたら、テクニカルサポートグループにご連絡ください。