ラボにおける純水の重要性
純水は半導体、電力、製薬、ヘルスケアなど、様々な産業で使用されています。特にラボの分析においては、わずかな不純物が分析結果の信頼性に大きく影響します。実験の目的によって純水の要求水質、除去すべき不純物は異なりますので、適切な超純水・純水製造システムを使用することが重要です。純水というのは、ラボで試験・分析された結果の正確性と信頼性を確保するだけでなく、長期で安定した運転を可能にして、メンテナンスの低減にもつながります。
純水はアプリケーションによって様々な品質やパラメータがあり、ASTMやISO規格に基き、一般的には3つのタイプに分類されます。
ASTM Type 1:
最も高い純度を求められるタイプで、超純水が必要な高度な分析や精密な実験、電気化学分析、イオンクロマトグラフィー、マススペクトロメトリー、細胞培養などの用途に使用。
ASTM Type 2:
Type 1よりもやや低い純度で、広い範囲の実験に利用可能。電気生理学、分光光度計、バッファー調製、ガラス器具の洗浄・すすぎ、Type 1 の超純水製造システムへの給水、培地の準備などに使用。
ASTM Type 3:
Type 2より低い純度で、オートクレープや滅菌器への給水、Type 1 の超純水製造システムへの給水、ガラス器具のすすぎ、一般的な実験、洗浄などに使用。
Xylemは50年以上にわたるラボ用超純水・純水製造技術を通して、このType 1 からType 3 まで幅広い製品ラインナップがあり、お客様のニーズに合わせて適切な製品のご提案が可能です。
ラボ用超純水・純水製造システム
Type 1 | Type 2 | Type 3 |
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Protegra CS® Pro RO EDI |
Ultra Clear™ RO EDI |
Ultra Clear™ TP ED |
これらのラボ用超純水・純水製造システムで使われているCEDI(連続式電気再生脱イオン装置)は、世界のリーディング製品であるIonpure® の技術が使われています。Ionpure®は、半導体や電力、製薬、ヘルスケア等の分野において、超純水製造の重要な技術の一つとして一般的に使われています。従来のイオン交換樹脂塔に比べると、樹脂の再生が不要になります。再生作業が不要になるだけでなく、再生用薬品の使用・管理に伴う危険物のリスクもなくなります。また、電気による脱イオン処理で高純度の安定した超純水製造が可能です。1987年にCEDIを初めて販売して以来、40年近くにわたって、この高度な超純水製造技術をベースに世界をリードするCEDI製品を開発して参りました。
連続式電気脱イオンモジュールIonpure®製品 |
LabXT 少流量ラボ用 |
LX 中流量用 |
VNX 大流量用 |
Xylem Inc.は、昨年Evoqua Water Technologies Corp.を買収いたしました。Evoquaは塩素や次亜塩素酸ナトリウム、オゾンやUVといった水殺菌装置をはじめ、ろ過装置、排水処理装置、また電気分解技術を生かした海水電解装置、塩水電解装置、連続式電気脱イオン装置など、多種多様な水処理製品ポートフォリオを有する世界のリーディング企業です。ラボ向けにはXylemのモニタリング、計測・分析技術とEvoquaの超純水製造技術、それぞれの優れた技術を組み合わせて、高度な純水品質を確実にすることで、お客様に長期で安心してご使用いただける製品・サービスを提供して参ります。